2009年10月 4日 (日)

は?

「もっと言え!」で心ならずもJR東海を持ち上げてしまいましたが、気を取り直して「やっぱりJR東海は貨物鉄道と物流の敵だ!」という話をもう一つ。

JR東海の会長が葛西敬之氏であることは、鉄道に興味のある方ならだいたいご存知かと。
この葛西氏、いつだったかの講演で言ってしまったらしいです。

日本に鉄道貨物輸送は不要だと思います」と。

は?何で?

私が見た範囲では、その理由までは書かれていませんでしたが、ホント何ででしょうね?

確かに、国内貨物輸送量における鉄道のシェアなんてトンベースで約1%、トンキロベースでも4%程度ですから、「数字だけ」見れば要らないと言えるかもしれません。

しかし、それでいいんでしょうかね?
例えば、論文でも触れましたが、長野県や群馬県、栃木県って、県内で民生用として消費される石油類の大半を鉄道で運んでるんですよ。
他にも化学薬品のように毒物・劇物に指定されている物も、内航海運が主流とは言え、鉄道もいっぱい運んでます。

で、仮に日本から鉄道貨物輸送が消えて、石油類・化学薬品といった危険物・毒劇物・高圧ガスが全部道路輸送にシフトしたとしましょう。

2008年度のJR貨物の輸送実績(速報値)を見ると、

・ 石 油 ・・・7,176千トン
・化学薬品・・・1,532千トン
・ 合 計 ・・・8,708千トン

これに「化学工業品」の2,038千トンも加えておきましょうかね。主に樹脂でしょうけど、危・毒・高に該当する物もあるでしょうから。

出ました。合計10,748千トン!

これを道路輸送しようとすると、積載13トンの緩和車で輸送するとして、単純に365日で割ると2,265台/日のタンクローリーあるいはトラックが必要になります。
ただ、小ロットの貨物も存在しますから、実際には3,000台/日くらいは必要かと。

年間45億トンの貨物を運んでいる道路輸送ですから、これくらい簡単に吸収できる。と思うでしょ?
ところがそうは問屋が卸さない。

道路においては危険物・毒物・劇物の輸送は経路に制限を受けます。面倒なので詳しい解説は省きますけど。

しかも、輸送効率向上のため1車当たりの積載量を増やすと、車両総重量の規制にも引っ掛かって走行可能経路がさらに絞られると。
他にも荷主やトラック事業者各社が自主的に設定した経路制限もあります。
分かりやすく言うと「危ない物を積んだトラックが、トンネルや住宅地、商店街、集落を貫く細い道を走るのは拙いでしょ?」ということです。

※そういう気遣いが全く無いのが、ダンプに乗ってる連中ですな。
 が、彼らは貨物運送事業者ではない。だって白ナンバー(自家用車両)だもん。
 それゆえ運行管理なんて考えがあろうはずも無く、センターラインが無い狭い
 通学路にガンガン入ってきます。
 もちろん、迂回経路があってもです。

そうなると、輸送経路は一般国道(酷道除く)や主要県道、高速道路に限られますな。

どうでしょう?現在、長野県は鉄道での輸送に8割を頼っていますから、首都高や中央道をタンクローリーがいっぱい走ることになりそうですね。
で、道路の方が事故率が高いですから、事故が増え、しかも積荷は危険物・・・想像したくもありません。

但し、私の経験から言うと、危・毒・高に該当する物品を輸送するタンクローリー事業者は、安全面の管理を厳格に行っていますので、単純に事故が増えるとは思えません。
あ、「管理を厳格に」を「締め付ける」という意味に取らないでください。
例を挙げると、「遵法運転でも遅れない運行ダイヤの設定」ということです。つまり、できる限りドライバーに無理をさせないということですね。
とはいえ、道路上では何が起こるか分かりませんので、やはり事故は増えてしまうのでしょう。

最近の統計でも道路渋滞による経済損失は年間12兆円、交通事故のそれは3兆円と言われています。
葛西氏は、これを「さらに増やそうよ」と仰っているわけですね。

で、国民に外部不経済を押し付けて、自分の会社は貨物列車の運転が無くなって線路保守費が減少して収支向上と。

それにしても、旅客と貨物の違いこそあれ、鉄道会社の会長としてはかなり思い切った発言ですな。

この「日本に鉄道貨物輸送は不要」という考え、非常に危険です。
新幹線の有無という違いがあるとはいえ、鉄道の輸送機関としての特性は旅客だろうが貨物だろうが変わりはありません。
つまり、「日本に鉄道貨物輸送は不要」ということは、先々「日本に鉄道旅客輸送は不要」ということにも成りかねません。
もちろん、貨物と旅客の流動には特性の違いがあるでしょうから、単純にそうとは言えませんけど。
でも、鉄道貨物輸送が不要となるよう、他の輸送機関のインフラや輸送機器・運用方法を整備するということは、旅客輸送についても鉄道が不要となる可能性を高めてしまうんじゃないかと思います。

↓最後に、国土交通省は貨物輸送分野において「鉄道は必要」と認識しているようです。どちらが常識的な考え方であるかは論を待たないと思うのですが・・・。
http://www.fujibuturyu.co.jp/headlines/090406/01.html

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【補遺その2】化成品タンク車の終焉迫る

「化成品タンク車の終焉迫る」に「2009年6月、この濃硝酸・液化塩素のタンクコンテナ化が行われ、日本の化成品タンク車はその歴史を終えることとなったようです。」と書きましたら、液化塩素についてはタキ5450での輸送も続いており、訂正を求めるコメントをいただきました。

すみません。実は知ってて放っていました。

というのも、今年の盆休み、嫁の実家である北九州に帰省したのですが、私がこの機会を逃すはずも無く、黒崎で4172列車を待ち構えていました。

↓コレが証拠写真。
Img_4347800
タキ5450と濃硝酸用のUT13C-8000を積んだコキ200の姿が見えます。

この時、「あら!?5450がまだ走ってるって話はホントやったんね!?」と驚いたわけです。
頭ではブログの訂正を当然考えましたが、本日まで放り出す結果に・・・。

なぜか?

じ・つ・は・・・9月1日付で転勤になりました!

そうなんです。9月から茨城・神栖市民となりまして、さらに今月からは労基法41条2の対象となってしまい、残業代が出ない人になってしまいました。

そんなわけで赴任前後のバタバタでブログの更新・訂正は後回し!となったわけです。
5450も消えたと信じてしまった方には申し訳ない話でして、お詫び申し上げます。

ところで、新任地は鹿島臨海工業地帯の中で、最寄駅は奥野谷浜駅(貨物取扱駅コード4363-04)という僻地(?)です。

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2009年7月29日 (水)

もっと言え!!

来月30日に予定されている衆議員選挙、各党の公約(マニフェスト?日本人なら日本語を使え!)が出揃いつつあります。

その中の一つ、民主党の公約にやっぱり出てきました。「高速道路無料化」が。

これについて、JR東海の松本社長が7月28日の記者会見で批判をされたそうで、「もっと言え!!」とけしかけたい想いです。

発言の内容は下記の通り(ヤフーから引用)。

<JR東海>民主の「高速道路無料化」 社長が批判

7月28日19時50分配信 毎日新聞

 JR東海の松本正之社長は28日の会見で、民主党がマニフェストに掲げた高速道路無料化に対し、「利用者が負担する前提でできているものを、利用しない人も含めて負担する格好に変えるのは問題だ」と批判した。

 無料化による渋滞の悪化や二酸化炭素(CO2)排出増の懸念も指摘した。さらに「民間会社になった道路会社が、本来の収入でなく(政府の補てんという)バーター的な収入を得るのは、(企業経営にとって)長期的には問題があるのではないか」と述べた。

 同社は、既に実施されている高速道路料金の値下げで在来線特急の輸送量に影響が出たとしている。【位川一郎】

引用終わり。

珍しく非常に良いことを仰る。まさしくその通りです。

今年3月から実施されている、「地方の高速代、土休日は上限1,000円」でさえ、公共交通事業者に重大な影響を及ぼしているというのに、さらに高速代無料化とは暴挙としか言いようがありません。

民主党は、我が国の公共交通を壊滅させるつもりなのでしょうか?

「競合交通機関への影響及び交通弱者に対する配慮」をするようですが、具体的にどうするんですか?

高速道路の建設費に加え、公共交通の維持コストまで税金で賄いますか?

それって、高速道路利用者から高速料金を徴収して、税金で公共交通への補助をするのと結局変わらない気が・・・。

ましてや、土休日の上限1,000円の結果を見れば、無料化が「温暖化対策」になるわけが無いと思えます。

実は、無料化をやると公共交通に限らず、物流にも大きな影響を与えます。

高速道路の渋滞が激しくなりますから、貨物を運ぶトラックも多大な迷惑をこうむります。

「トラックが走れなくなっても俺ら関係ないし」と思ったあなた!それは大きな間違いです!!

下手をすればコンビニやスーパーに品物が届かなくなるかもしれませんよ。届いても現在より輸送時間が延びたら、生鮮品は傷むかもしれませんね。

あなたが親御さんや彼女に送った誕生日プレゼント、「誕生日に合わせて指定日配達で」なんていいですね。しかも内緒でサプライズ!喜ぶ顔が目に浮かびます。

しかし、翌日配達圏だからと油断して誕生日前日に発送したら、実際は中1日になって、届くのは誕生日の翌日午前になるかもしれませんよ。

こうなったら目も当てられません。親御さんならともかく、彼女宛だったら・・・考えるだけでも恐ろしい。その日から恋の敗者決定かも?

それに、最近、車にETC取り付けませんでしたか?せっかく付けたETC車載器、無駄金です。

また、高速道路の渋滞激化で、自動車でのお出掛けは時間が全く読めなくなるかもしれません。彼女とデートだったら目的地での予定は全てキャンセル!渋滞に巻き込まれただけで休日が終わった彼女は怒るしで大ピンチです。

こうして身近に置き換えると、メリットよりもデメリットの方が多いであろうことは、想像に難くありません。

無料化された高速道路の異常に激しい渋滞も「友愛」で解決できるのでしょうか?

が、この事態の中、こっそりチャンスが来ているのがJR貨物なんです。

土休日の1,000円で高速の渋滞が激しくなり、今年のお盆はさらに酷くなるという予想。

そんな予想を受け、お盆期間中の列車運転本数を増やして、高速道路を利用する長距離トラックからのシフト分を少しでも受け入れようとしているとか。

※注:盆暮れ正月やゴールデンウィークのような連休期間中、企業の工場なども稼動が停止するか稼働率が低下しますので出荷量が減り、その対応として貨物列車は大多数が運休となります。但し、路線貨物や宅配便貨物などを輸送するため、一部は運転されます。

しかし、高速代の無料化は乗用車に限らず、トラックも対象となるでしょうから、そう狙い通りには行きますまい。

むしろ、旅客輸送・貨物輸送共に、逆モーダルシフトを進めることにさえなりかねないと、私は非常に心配しています。

それに、北九州帰省時の快適ルートである中国自動車道まで渋滞するようでは、私自身もとても困ります。娘が大きくなって新幹線での帰省が楽になるまでの話ですけど。

私は、別にアンチ民主・自民支持というわけでもありませんが、高速道路無料化だけは断固反対です。

現実的には現行水準から2~3割引き下げるくらいが限度でしょう。

それも、交通が集中する東名・名神・山陽などの主要な高速道路は割引率を小さくする必要があると思います。

一般道路ではないのですから、受益者負担の原則から離れてはいけません。

公共交通事業者と物流事業者が結束して立ち上がることを期待しています。

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2009年7月27日 (月)

出直して来い

一般的に日本のというより、世界の2大カメラメーカーと言えば、ニコンとキヤノンであることに疑問の余地は無いでしょう。

しかし、その片割れであるキヤノン。ここ数年の製品の品質は酷すぎます。

例えば2000年以降・・・

・EOS-1V・EOS-1V HSのシャッター不良問題

・Lレンズの品質疑惑(レンズへの大量の気泡混入)

・EOS 5Dのミラー脱落問題

・EOS 50Dのエラー頻発問題

・EOS 5D MarkⅡの黒点問題

・EOS-1D MarkⅢ・EOS-1Ds MarkⅢのAF精度調整不具合

・EOS-1D MarkⅢ・EOS-1Ds MarkⅢのミラー動作機構不具合

・EOS-1D MarkⅢ・EOS-1Ds MarkⅢの潤滑油飛散問題

・EOS-1D MarkⅢ・EOS-1Ds MarkⅢのシャッター不良問題

など、思い出されるだけでもこれだけのものがあります。

しかも、プロ向け製品(EOS-1系やLレンズ)のトラブルが意外に多いというか目立つのが特徴です。

私もEOS-1Vのシャッター不良やEOS 50Dのエラー頻発は実際に経験しましたし、他人にキヤノン製品を勧めるときは必ずこう言います。

「確かに素晴らしい機能を持っている。しかし、不具合というオマケが付いてくるかもしれない。賭けだ。」

2大メーカーの一つがこれですから、どうしようもありません。

そして、EOS-1系のシャッター不良、最新の1DMkⅢでも発生しているらしいです。

1V発売の後、アレだけ騒がれ、あまりの対応の拙さに怒ったユーザーから公正取引委員会にチクられて警告書まで出たという、伝説の「シャッタージャンプ」が最新のプロ用ボディでもいまだに出ているとか。

聞いたときには「1Vの間違いでしょ?何をいまさら」と思ったのですが・・・。

こんな代物で40万とか70万なんて販売価格を設定させるメーカー、他にありますか?

こんな代物のカタログに「防塵・防滴性能と堅牢性に優れた製品」なんて恥ずかしげもなく書くメーカー、他にありますか?

この面の皮の厚さ、会長以下全社員がそうなのでしょう。

以前の週間東洋経済の記事を見てもそう思えるのですが、キヤノンは開発・生産の両面において、まともな製品を送り出す能力を失っているのではないかと心配になります。

というより、1ユーザーとして諦めていますと言った方が正解か。

どうも、今の会長が社長になって以降、おかしくなり始めたような・・・。

どちらにしても、2大カメラメーカーの地位を守りたいなら、一回出直した方が良いのでは?

一番上から血を入れ換えて。

もっと言えば、今のイメージではマイナスになるので、九州に縁があることも隠して欲しいくらいですな。

九州人の気質が誤解される。

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2009年7月 7日 (火)

振子その3

2005年の11月にその1その2を書いた「振子式車両インプレッション」の第3弾です。

大阪への転勤のおかげで乗車済みの車種が3つ増えましたので、追加です。

■381系

日本初の営業用振子式車両として有名なことは言うまでもありません。

登場した頃、その揺れの酷さ(というか不自然さか?)で、乗客が軒並み酔ったという話もまた、有名です。

その理由の一つが、JR四国2000系以降の制御付自然振子式車両と異なり、完全な自然振子式であることで、カーブ前後での振子の振り遅れ・戻り遅れが乗り心地に悪影響を与えたことは素人でも想像がつきます。

で、2006年12月、こういった予備知識を持って紀勢線の「くろしお」で乗車したのですが、カーブでは全く酔いません。カーブでは。

むしろ、直線が続く阪和線内での小刻みな左右方向の揺れで酔いそうになりました。

カーブでの乗り心地は、振子の動作に若干のタイムラグは出るものの、着席していれば問題になるレベルではありません。

最近の制御付と比べて、振子が動作したことがハッキリと分かるので、乗っていて面白かったです。

一般的には乗り心地が悪いことになるのでしょうけど・・・。

いずれにせよ、これまで乗車した振子式車両の中で一番好き。まだの方はぜひ一度ご乗車を。

カーブでは振子が一気に動作し、縦方向のGがいきなりかかってシートにお尻が押し付けられます。

■283系

381系と同じく、2006年の12月に乗車しました(往路が381系で283系は復路)。

さすがは最近の制御付自然振子。着席している限りは振子式であることをあまり意識させません。

窓外に目をやると車体の傾きでそれと気付きますけど。

つまり、一言で言うと「特徴が無い」。

デッキで立ちっ放しだったりすると、また違った(悪い)印象が残ったのでしょう。

しかし、車内は静かで「ものすごく軽量化しました」と感じることもありません。

しかし、思ったより増えませんでしたね。何か不具合とか問題でもあるのでしょうか?

■383系

評価に値しない・・・というのはさすがに失礼か。JR東海の車両とはいえ。

いや、乗り心地はこれまで乗った振子式車両の中で、最も良いかもしれません。

妙な揺れ方もしないし、振子もあまり意識せずに乗ることが出来ます。

これなら乗り物酔いの心配も無いでしょう。

但し、こちらも立ちっ放しの経験はありませんので、その場合どうかは何とも言えません。

Sonic050416_2

▲その2で取り上げたJR九州の883系「ソニック」。

 カーブに入る前に先頭車の車体が傾き始めているのが分かります。

 制御付自然振子式はこのようにして振り遅れを防ぎ、乗り心地を向上してます。

 が、立っているとやはり辛い。

JR東海の在来線車両(に限らないか)は、外観が似たり寄ったりであまり面白くありませんが、新しいというか従来の概念にとらわれない技術や発想を取り入れる例がわりと多いですね。

例えば、

・キハ85系など・・・カミンズ製の高出力エンジンをいち早く採用:国鉄仕様エンジンからの脱却

・313系・・・MT比1:1の徹底:MM2基装備の「0.5M」導入

・313系5000番台・・・在来線車両初の車体間ヨーダンパの導入:新幹線の技術を転用し、乗り心地を向上(ホントにいいです)

・383系・・・操舵機能付台車の実用化:曲線通過時の横圧を低減

あれ?こんなもんか?

JR東海の在来線の規模を考えれば、ここまでやっていれば立派でしょう。

とはいえ、他のJR各社もアプローチの違いこそあれ、いろんな取組みを行なっていますね。

個人的にはJR北海道のTOT(顔文字ではない)の発想は驚きました。

いくら新幹線の車両限界が大きいとはいえ、鉄道車両に鉄道車両を載せるなんて常人の発想ではない。

いつの間に話が変わってしまいましたが、第3弾はここまで。

残るは

・キハ283系(JR北海道)

・E351系(JR東日本)

・HOT7000系(智頭急行)

の3系列かな?

E351とHOT7000はともかく、キハ283はムリそうだなぁ。

え?北海道に転勤すれば?私は九州と関東のハーフゆえ、身体は暖地仕様。彼の地では寒すぎて生きていけません。

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2009年7月 3日 (金)

理由

私のホームページのタイトルは「110km/hの疾風 -JRF Superliner Express-」。

主な題材はJR貨物の高速貨物列車です。

では、なぜ、専用貨物列車に使用される貨車たちを紹介するページがあるのか?その理由を書いてみます。

私の中学入学は1988年。JR化の翌年です(年がバレる)。

この頃、一日の列車設定本数ではコンテナより車扱の方が多かったことは、6月18日の記事で触れた通りです。

私は都内の某中高一貫校(いまは居酒屋の会長が運営してるらしい)に入学したのですが、その動機は不純で、クラブ活動のことしか考えていませんでした。

勉強?何それ??中学受験で燃え尽きたし(「燃え尽きてあの学校か」というツッコミはご勘弁を)。

それはともかく、そのクラブとは「鉄道研究部」です。

その学校、もういいや、学校名書いちゃえ。郁文館学園の鉄道研究部は、中学・高校・商業高校いずれの生徒も入部可能で、私の在学中は部員数30名~50名という大規模なクラブでした(記憶が正しければ文化部最大規模、かつ運動部を含めても屈指の規模だったはず)。

同じ趣味を持つ者とはいえ、その活動分野は多岐にわたり、今で言う「撮り鉄」「乗り鉄」など、全て揃っていました。

その中で一定の勢力を保ち続けていた分野が「貨車・コンテナ」なのです。

ホームページの私のプロフィールをご覧いただくと分かる通り、入学式当日に仮入部(本人は「仮」なんてつもりは全くありませんでした)し、2週間の仮入部期間が終わるとすぐ、先輩に連れられて東京貨物ターミナルでコンテナ・貨車の形式写真撮影へ。

ここで私の鉄道趣味の方向性が決まってしまった。どころか、人生にも少なからぬ影響を与えたわけですが・・・。

その後も隅田川へ通ったり、撮影旅行の際には必ず貨物取扱駅が行程に含まれたり、見慣れぬ貨車やコンテナを見かければ、とりあえず撮っておく。という行動が基本になったのです。

そして、昔の鉄道ファンの付録「昭和60年度 貨車形式表」のコピーを常に携帯し、撮影済の貨車をチェックするようになりました。

実は、この貨車形式表、いまだに手帳に挟んで携帯しています。

Fcrist

▲これがその1ページ。撮影済の貨車はマーカーを塗って記録としています。

 備考欄のメモは先輩から引継がれたものに自身で得た情報を追記したものです。

 このページを見るとそれなりに撮っているように見えますが、実は大して撮っていません。

こうして撮影した貨車やコンテナですが、高速貨車やコンテナは放っておいてもいずれはホームページで公開されるチャンスがあります。

その一方、車扱のタンク車や有蓋車などは、このままではせっかくの記録が埋もれてしまう。と思い、こちらで公開することにしたわけです。

ただですね、私が高校に上がる頃には、最凶のタンク車バカ、もとい、貨車の第一人者(当時)であった先輩が卒業してしまいました。

結局、私達がクラブの役員を務める頃には、それを完全に引継ぐ仲間がいなかったため、貨車は下火になっていきました。

それに、当時は横軽が盛り上がりつつある時期でしたので、我々もそちらに・・・となったのです。

私は九州詣でのため、近場の撮影行を絞り込んでもいましたし。

おかげで偉そうに言えるほど貨車を撮っていないんです。

しかし、僅かばかりとはいえ、その姿を記録することができた貨車たちをホームページ上に公開しようと思い立ち、あのページを設置したのです。

余談ですが、私が中学に入学する前、もっとすごいタンク車バカ、じゃなくて先輩がいまして、その方は紫色のJRマークで働いてたりします。

この先輩、「私有貨車全形式撮影済」という金字塔を打ち立てていまして、現在も時折、趣味誌の貨車特集に写真を提供されています。

で、この先輩は不惑を超えた現在も趣味に情熱を燃やし続けておられます。

現在のターゲットは「コンテナ」・・・はい。結局貨物絡みなんです。

しかし、現在のコンテナ、特に私有コンテナは、その形式付与のルールもあって、「同形式同番台で専用種別・形態・所有者全てが異なる」なんてことがザラになりつつあり、かつてのタンク車よりも混沌とした状態だと思います。

これを記録し、整理していくことは大変な労力を要しますし、誰かがやらなければ闇に葬られる珍品・貴重品が多数生じる可能性が高いのです。

あなたが何気なく撮ったコンテナ、実は大変貴重なものかもしれませんよ。

形式写真って雑誌の表紙を飾るわけでもないですし、コンテストに入賞できるわけでもありません。

しかし、その車両やコンテナの姿や形・色・各種表記などを全体的に把握できる、数多くの情報を持った記録なんですね。

全くもって地味な世界ですが、その重要性は高いのです。

最後に、A先輩・H先輩、すみません。決して悪気は・・・。

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2009年7月 2日 (木)

プロでも・・・

先日の会社帰り、梅田の書店に寄ったら、「日本の空港 撮影ガイド」という本が目に止まりました。

早速手に取ってみると、全国各地の空港における撮影地が、ルーク・オザワ氏(日本人です)とチャーリー古庄氏(こちらも日本人です)による多くの美しい写真により紹介されていました。

私の自宅の最寄である伊丹も、当然掲載されています。

Img_32690905241642581280

▲伊丹スカイパークから撮影したB777-246。

 主に大型機が使用する滑走路14R/32Lに沿う形で開設された公園で、その長さは1.2km。幅は80m。

 公園の南半分では着陸の瞬間が、北半分では離陸の瞬間が楽しめます。

 遊具も充実しており、子連れでの撮影もOK。嫁からの視線の厳しさもいくぶん和らぐ・・・かな??

そんな撮影地の数々をパラパラと見た後、ルーク・オザワ氏とチャーリー古庄氏の機材を紹介するページを見て驚きました。

最初にルーク・オザワ氏。

いまだに(?)EOS-1V HSを使われています。

しかも、その数3台!(確かそうでした)

もちろん、デジタルでの撮影もされていて、EOS-1Ds(Markいくつかは忘れました)を所有されています。

もっと驚いたのが、そのレンズ群です。

数の多さもさることながら、望遠レンズのラインナップを見て一瞬見間違いかと思いました。

まず、EF500mm F4L IS USM。

これは驚きません。

航空機を撮影するプロカメラマンなら、持っていて当然とも言える一本ですので。

問題はその次。

EF300mm F4L IS USM…あれ、何かおかしくないか?

え!F2.8じゃないの!?

…ズラリと並んだ機材の写真を見ると、確かにサンヨンISがあります。

こういうプロの方は、サンニッパを使われているものとばかり思っていたので、ビックリ。

続いてチャーリー古庄氏。

カメラボディは記憶に残っていないので、そんなに驚くようなものは無かったのでしょう。

が、レンズが…。

ルーク・オザワ氏同様、望遠レンズで驚かされました。

一本目。

EF600mm F4L USM…あら?「IS」の文字がありません。

「脱字かな?」と思って機材の写真に目をやると、そこに写っているのは間違いなくIS無しのロクヨンです。

二本目。

EF400mm F2.8L USM。

へ?こっちもIS無し!?

ホントにビックリしました。

何でこんなに驚いたかというと、チャーリー古庄氏のこの2本、IS付の現行型に移行してかなり経つので、部品交換が必要な故障が発生すると、まず修理は不可能と考えるべきというものなのです。

特に、この世代のキヤノンEFレンズの望遠単焦点Lレンズの内、サンニッパなどのいわゆる「白レンズ」は、USM(超音波モーター)をMFにも使用する「電子フォーカス」のため、USMの故障は致命的です。

一度故障が発生すれば、そのレンズは「みんなの憧れ白レンズ」から「重くてデカい粗大ゴミ」になりうるわけです。しかも高確率で。

プロの方がそんなレンズを使い続けるとはにわかに信じがたく、「どうせ相当古い本なんやろ?」と思ったら、発行は昨年4月。1年3ヶ月前です。

修理不能のリスクを分かっていながら使い続ける、その理由を知りたいものです。

IS付によほど気に入らないところがあるのでしょうか?

とはいえ、同じリスクを抱えるレンズを保有する者としては、勇気づけられるところもありますが・・・。

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2009年6月27日 (土)

さようなら、フラッグシップ機

先程まで荷造りをしていました。

完成直前の写真がコレ↓なのですが、

Img_40451024

中身は・・・

Img_4045512

となっています。

そうです。荷物はカメラとレンズです。

従来、私のメイン機材はEOS-1V HSだったのですが、昨年9月のEOS 50D購入で稼働率が激しく低下しました。

元々、2004年の購入以来メイン機材だったとはいえ、撮影の機会も限られていますので、これまでに装填したフィルムの本数は80本弱という低稼働だったんですけど。

フィルムは現像代や現像後のフィルムスキャナでの取込まで考える必要があるため、家族のスナップなど、気軽に撮りたい場合はEOS Kiss DNやコンデジで対応していました。

ただ、低稼働とはいえ撮影すれば、必ずそのハイスペックを発揮してくれていました。

モードラこそ、普通の単3電池では6コマ/秒と今時珍しくもないものですが(発売当時としては速かったんだぞ!)、AFのレスポンスや精度、ファインダーの像消失時間の短さは「これぞフラッグシップ機」というものです。

AFのレスポンス・精度については、購入当時文句をたれていましたが、50Dと比べたら雲泥の差です。

その他、ボディの強度や質感、防塵防滴対策、手にしっくりと来るグリップ、各種操作のしやすさなどなど、やはり、1Vはフラッグシップ機だったのですな。

とは言いながら、50D導入で全てが変わってしまいました。

気合の入った鉄道写真の撮影から、家族のスナップまで50D1台で対応するようになりました。

極限までピントを追込みたい時はライブビュー10倍でMFすれば、ジャスピンの写真が得られます(1Vというかフィルム機では絶対ムリ)。

家族との外出など、軽くしたい場合はバッテリーグリップを外せばOK。

こうなると、1Vはオートドライの主というか肥やしと化し、せっかくのハイスペックを発揮する機会が無くなるわけです。

50Dを9ヶ月ほど使った結果、最新のファームウェアであれば安定した性能を発揮することが確認されましたので、1Vを売却することにしたのです。

でも、APS-Cサイズ機のファインダー。これだけは何とかならんのか??

さて、同梱のレンズたちは、50Dへの移行や最近の機材構成の変化により、使用の見込が無くなりましたので、1Vと同時に売却することにしました。

・EF20-35mm f3.5-4.5 USM

 →機関車添乗に合わせて、狭い運転室内で撮影可能なレンズとして購入。

  でも、広角過ぎました。28mmで充分でした。

  50Dの標準ズームとしても使えますが、35mm換算で32mm-56mmというのは、全くもって中途半端。

  EF-S18-55(IS無し)が値段の割に良いのと、フィルムはEF28-105mmがあるので・・・。

・トキナー AT-X304AF

 →旧型とはいえサンニッパが手元にある以上、必然的に・・・。

  ヌケが良く、シャープな描写をするレンズなので、残しておこうかとも思いましたが、AFが動体撮影には使い物になりませんので。

・エクステンダー EF1.4XⅡ

 →50DをはじめとするAPS-Cサイズ機は、最初から1.6倍のテレコンを積んでいるようなものなので、サンニッパ(35mm換算で480mm)を手にすると必要性を感じなくなります。

  200mmでも35mm換算320mmになるので、これで充分とさえ言えるかもしれません。

1Vも、他のレンズたちも今までありがとう。

大切にきちんと使ってくれる人に買われてゆくことを祈りつつ、明日発送します。

デジ一眼の価格を見ると、私がフラッグシップ機を側に置けるのは、とりあえずこれが最後となりそうです。

・・・なんて言いながら、提示された買取額に納得がいかなくて出戻りになるかも??

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2009年6月20日 (土)

【補遺】化成品タンク車の終焉迫る

先日の記事ですが、置換えの日程を調べてみました。

・・・どうやら、すでにタンクコンテナ化されている事が判明。

どうも黒崎を離れると情報入手がしづらいです。

もー、置換えされたんやったら、「もう済んでますよ」っちちゃーんと教えてくれんといかんよー、○○君!さては現場回って世間話するヒマもないんやろ~?それじゃあいかんばい!!なんてね。すまんね、○○君。いろいろ教えてもらって助かったんよ、マジで。ただ最後の詰めがちと甘い。

内輪の話はさておき、タイトルは「終焉迫る」ではなく「終焉」とすべきでしたね。

それにしても、国内最後の化成品列車のわりにあまり注目されなかったですね。

やっぱり、東京から遠いと各趣味誌も取上げにくいのでしょうか?

実際のところ、自身の経験から思い返しても、関東の連中(特にマスコミ)は

・東京が日本の中心だ!

・他地方の田舎者は東京や首都圏のいろんな情報を知りたくて仕方がないに違いない

・だから、首都圏の情報=全国版だ!全国に発信してやらないといけない!!

と思っているフシがあるので、北九州のことなど気にもしないのでしょう。なんて斜に構えた気持もあります。

確かに、政治・経済について言えば日本の中心やろうね。

でも、別に首都圏の情報はいらんよなぁ。

食いもんは高くて鮮度が低くて不味いし、観光地はやたら人が多くて何するにしても1時間以上待たないかんし、よくそんなとこ住めるね。いや、よく住んでたな。20年以上も良く耐えた。自分をほめてあげたい。

そんな別に行きたくもない所の情報、何でもらわないかんと?

東京だって都心から電車に1時間も乗れば、のどかな田園風景になるクセして偉そうに。フン!

いや、実はですね。北九州在勤中、台風くずれの低気圧が関東の南をかすったことがありまして、そのときのテレビ。もー失笑。

神奈川だか千葉の海沿いからレポーターが中継してたんですが、

「すごい風です!まっすぐ立っていられません!!」

・・・風速17mっち言いよったやん。それのどこがすごいん?

「横殴りのすごい雨です」

・・・直近の1時間の雨量、「ちょっと強い雨」くらいで大したことなかったやろ?大袈裟やね~バカやないん?こいつおかしいっちゃ。

こんな具合で、非常に緊迫感のある俳優顔負けの演技(え?違うの?マジだったの?)で、笑わせてもらいました。

で、台風(すでに低気圧)がちょろっとかすめただけで上陸もしてないのに、テレビの画面は北九州でも「台風情報」だか「大雨情報」だかのテロップが出っ放し。

在京キー局から配信される番組の場合、システム上どうにもならんのでしょうけど、北九州の人間から見ると

「まったく、こんぐらいの低気圧で大騒ぎしやがってからだらしない」

とか

「こっちには関係ない話やろうもん!東京の台風情報やらどうでもいいっちゃ!」

という感想を抱きます。

関東出身の私でもそうなりましたから、まず大方間違いないでしょう。

ま、何にしても、東京のテレビ屋は全てを大袈裟に言いますね。アホらしい。

風速17mで「すごい風」なんて、風速30m超えで中継する九州ローカル局の方々や、台風対策で出勤している官庁・企業で働く人たちに失礼です。

30m超えるとなかなか歩けんし、何が飛んでくるかわからんしで危ないので、建屋内にこもってまず外には出ませんけど。

東京をボロクソに言いましたが、九州の人間は「西日本」という括りで関西の下に置かれたような見方をされることも激しく嫌います。

方言も文化も違いますし、九州のそれらは独自性も強いですから・・・。

しかし、なぜこんな話に・・・??

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2009年6月18日 (木)

化成品タンク車の終焉迫る

2005年7月3日の記事で触れました通り、私有貨車の減少が着々と進んでいまして、最新の鉄道ファンによればまもなく3,000両を割り込みそうな状態です。

もちろん、これは「車籍がある私有貨車」の数字でして、実際に稼働状態にある私有貨車の数はさらに少なくなるのでしょう。

実は、私有貨車の場合、使用されなくなっても数年間にわたり車籍が残ったままということは良くある話でして、

・タキ3650・・・伏木駅の奥の方で長期間留置

・ホキ9300・・・同じく伏木駅ですが、ホームから見える側線に雨ざらし

等々、多くの例がありました。

※「長期間留置」=「雨ざらし」です。言わずもがなですが。

もっとひどいものでは、「車籍が残っているのに現車がない」なんて例もありました。

ただ、最近はJR・所有者各社共に仕事が早くなっていまして、廃車されると早い内に半田埠頭や神栖、秩父鉄道の広瀬川原等、あるいは所有者の専用線内で解体されています。

で、減り続けている私有貨車ですが、新製が続く形式もあります。しかし、ガソリン用のタキ1000くらいですが・・・(石油類はどうなる??)。

20年ほど前の国鉄分割民営化の前まで、車扱貨物の代表品目として「4セ」という言葉がありました。

セメント・石灰石・石油・石炭の頭文字を集めると「セ」が4つということでこう言われていましたが、まず、国内炭鉱の閉山で石炭が早期に脱落し、続いてメーカー間の製品融通体制の確立と、大規模な土木・建設工事の減少による相次ぐ輸送廃止でセメントが。

石灰石は北九州地区や美祢線、美濃赤坂支線、青梅線で何とか頑張っていましたが、荷主の専用道路での自動車輸送化で美祢線が激減し、北九州地区・青梅線も廃止となった今、変わらぬ地位を保つのは石油のみ。

石油については、長野県や群馬県、栃木県など、大半を鉄道輸送に頼る地域があることと、石油元売会社の環境施策の一環として鉄道の活用が行われていることから、今後も一定の需要が見込まれます。

だからこそ、タキ1000が開発され、輸送時間の短縮と運用効率の向上が行われたわけです。

一方、4セほどではないにしろ、主要品目の一つに挙げられるのが「化成品」(但し、現行の貨物時刻表では「化学薬品」)です。

化成品は、製品を液体や気体、粉体等で輸送するため、車扱であれば原則としてタンク車となります。

国内に製造拠点を持つ各化学メーカーを中心に、その物流子会社や商社など所有者も多岐にわたり、何より、様々な製品の形状・状態に合わせた、多種多様な特徴ある構造・形態を持つタンク車が開発されてきました。

これらの化成品タンク車が、化学メーカーから需要家への輸送、あるいは同一メーカーの拠点間転送といった役割を黙々とこなしてきたのです。

特に、昭和30年代後半から40年代にかけて、内航海運やトラック輸送への対抗のため、積載効率や輸送品質・安全性の向上を目的として、新型タンク車の開発が活発に行われました。

しかし、昭和50年代以降、荷主であるメーカーの製造拠点集約や海外移転、内航海運やトラック(タンクローリー)へのシフトによる輸送の廃止が進みました。

その対応として、当時の国鉄は貨物取扱駅の整理や、コンテナ化の推進、ヤード廃止による効率化、ローカル線や貨物線の廃止、私鉄との直通輸送の廃止といった施策を取り、私有貨車に限らず、車扱貨車全体が大きく数を減らしていきました。

こうなった理由には、車扱貨物の代表的な輸送方式であった「ヤード集結型輸送」の欠点(輸送時間が長い、到着日時が不明確等々)や、こじれた労使関係によるストや遵法闘争といった争議行為の頻発、度重なる運賃・料金の値上げ、車扱貨物の輸送ロットが中途半端であることなど、多くの理由がありますが、ここでは省略。

こうしてJR化を迎えました。

時はバブル景気のまっただ中、非常に心配されたJR貨物も順調なスタートを切りました。

当時、まだ多くの車扱貨物列車が運転されており、一日当たりの列車設定本数ではコンテナ列車よりも多いという時代でした。

しかし、ヤードが廃止され車扱貨物も出来る限り拠点間を直行するよう改められたものの、最高75km/hという根本的な足の遅さはタキ1000の登場まで解消されませんでした。

また、昭和50年代より続いていた流れは止まらず、化成品タンク車の職域が広がることはありませんでした。

それでも、液化塩素用のタキ5450のように老朽化した車両を同一形式の新製で置き換える例はありましたが、全体的な流れは変わりません。

こうして、ダイヤ改正の度に化成品タンク車はその数を減らしていったのです・・・そう、長いカウントダウンを刻むように(その一方、タンクコンテナ等の私有コンテナはバリエーションが豊富になりましたが)。

2008年、かつては全国各地でその姿を見ることが出来た化成品タンク車は、九州の南延岡-黒崎-大牟田間の濃硝酸・液化塩素の輸送で、タキ7500・タキ10450・タキ29000・タキ29100(以上、濃硝酸)・タキ5450(液化塩素)が細々と活躍を続けるのみとなりました。

そして、2009年6月、この濃硝酸・液化塩素のタンクコンテナ化が行われ、日本の化成品タンク車はその歴史を終えることとなったようです。

Taki29016

▲三菱化学物流所有のタキ29016。前所有者の専用線廃止により一度職を失ったが、第二の職場を確保できた強運の持ち主。しかし・・・。

Taki5456

▲「珍しくもない」との一言で片付けてしまうことが多かったタキ5450。が、このタキ5456は別格。台車に注目。

放課後にアポ無しで訪れた貨物駅や、各地への撮影旅行のとき、乗換待ちの駅で、普通列車の長時間停車で、アポ無しで(こっちもか!)訪問した貨物駅で撮影してきましたが、その活躍はもう2度と目にすることができなくなります。

※アポ無しはやっていましたが、無断立入はやってません。念の為。

彼らの長年の活躍と、多くの楽しみを与えてくれたことに感謝。

願わくば、職場を失った彼らが解体される前にもう一度だけ、その姿を目に焼き付けたいものです。

そして、できることなら、1両だけでもどこかで保存されれば・・・。

いや、その前にもっと大切な願いが。

最後の日まで無事故で運転されることを祈っています(撮影される方は一般常識に則した行動をお願いいたします)。

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